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2018年12月6日、改正水道法が国会で可決されました。
公共施設の運営権を民間企業に一定期間売却する『コンセッション方式』の導入を自治体の水道事業でも促進する
コンセッション方式は、行政が公共施設などの資産を保有したまま、民間企業に運営権を売却・委託する民営化の手法
2011年民間資金活用公共施設整備促進(PFI)法改正。
『民間のウハウを生かし、経営を効率化できる』
とされ、すでに関西空港、大阪空港、仙台空港、愛知県の有料道路、浜松市の下水道などでこの方式で運営されている。
その方式が、水道事業にも持ち込まれる。
2016年度時点で全国の約15%が耐用年数40年を過ぎ、漏水など多発している。耐震強度が不足した浄水施設も多く、自治体の経営を圧迫している。赤字に陥った自治体は料金値上げに踏み切らざるを得ない。その中で政府が打ち出したのが『コンセッション方式による官民連携』
コンセッション方式では、従来の業務委託とは根本的に異なっている。
『公共施設等運営権』という『物権(財産権)』が民間企業に長期間(20年程度)譲渡される。
決定的に違うのは、業務委託の場合、運営責任は自治体にある。水道料金は自治体に入り、自治体から委託企業に支払われる。コンセッションの場合、運営責任は民間企業にあり、水道料金はそのまま企業に入る。
一般的に考えれば、権限と金を握ったものがイニシアチブを握るのは明白。水道事業の権限と金が民間に移るのが今回の改正。
自治体は管理監督権を持つが、その責任を遂行できるかどうかは不明。
自治体が企業活動をモニタリングするのは難しいとされている。つまり契約期間が長く、自治体の担当者が組織の都合で定期移動し、専門的見地から指揮・監督する能力を培うことができない。
記事の投稿日:2020年07月01日