海をみつめ、大海に出よ 渡辺憲司先生のことば(2012.4.26)
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昨年の震災のため立教新座高校の卒業式を中止しました。そこで『卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ』と題した渡辺憲司校長先生のメッセージをホームページに載せたちころ、インターネット上で大きな話題になりました。ここで紹介いたします。
それは『海を見る自由』との立教の精神を謳ったものです。大学というのは勉強も大切だが、自らの時間を管理する自由こそが重要で、これまでの生涯も、これから先も決して得られない唯一無二のもの。だから大学の生活を大切にしなさいというものだ。
『大学だけが学ぶ所ではない。それは学ぶことに特権意識を持つ者の驕りである。また大学は友を得るために行く所でもない。大学で得る友が優れた友だという思い上がりは捨てなさい。楽しむために大学へ行くなど、これほど鼻持ちならない言葉もない。今この現実に真摯でありなさい。
では何の為に大学へ行くのか。中学高校と時間を制御する自由はなかった。遅刻/欠席という名の下で管理されていた。大学を出て就職しても、無断欠席など会社で許される訳はない。その構図はかわらず時間を管理されていた。しかし大学は時間を自分で管理できる煌めきの時なのだ。大海原の前に一人立って、孤独を直視する自由を得る事。自己が管理する時間をダイナミックに手中におさめること。流れに任せて、時間の空費にうつつを抜かすな。海をみつめ、大海に出よ。』
この渡辺先生の言葉は、自分の子供達にも読ませたいし、今の自分にも戒めとして受け取ることができる。いくつになっても自らの時間を管理し、うつつを抜かす事なく真摯に生きる。患者さん一人一人の生活を思い浮かべ慈しみをもって診療に従事する。なかなか難しいことではあるが、我々医療従事者として当然の事と考える。『知る事に終わりはなく、知識に不動なるものはない。』常に新たな知識を吸収し、患者さんの為に働くことを目標にしなければならない。
記事の投稿日:2012年04月26日