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イタリア自転車旅行(3)

column イタリア自転車旅行(3)

 イタリアはまさしく農業国だ。道路の両側には果てしなく農地が広がっている。ぶどう畑だったり、オリーブ畑だったり。見渡す限りの広大な農地の所々に家がぽつりと建っているだけだ。国道のような車で混雑する大きな車道は避け、市道や町道のような細い道路を選択して進んだ。舗装された道路は思ったほど悪くはなかったし、街中の道路もゴミも落ちておらずとてもきれいだった。旅行前にイタリア人の運転は荒いから気をつけるようにといわれたが、後ろからクラクションを鳴らされることもなく、割と安心して自転車を漕げた。通った道路がよかったのかもしれない。フェッラーラに着くまでなんだかんだで8時間。暗くなりかけていた。中心街のレストランへ行き、無事に初日を終えたことを乾杯。イタリアはどこへ行っても、チーズと生ハムが絶妙に美味しい。途中で立ち寄ったスーパーでも、チーズや肉は秤売りしていた。日本のように1個1個銀紙で包み込まれているチーズなんて見当たらない。作られて間もない生のチーズだから美味しいのか。肉もブロックのまま置いてある。太ったおばさん店員さんが注文に応じてスライサーで切ってくれる。その場でフランスパンに挟んでサンドウィッチも作ってくれる。郷に入っては郷に従え。自分が小学生の時にはどこにでも肉屋さんがあり、そこで秤買いしたものだ。連坊小路の高校の前にも肉屋さんがあって、そこの出来立てコロッケは絶妙にうまかった。さてイタリア国内は至る所に世界遺産がある。フェッラーラも例外ではなく世界遺産があったようだった。入ったレストランのすぐ先に古い城郭があったが、すでに時間も遅く観光はできなかった。
 翌朝バルベリーノへ向けて出発。早速左車線走行してしまう。危ない危ない。ここからは昨日までと違ってさらに田舎道になる。車の量も少ない。街中の通りはこぎれいで、街路樹が続いている。路肩には雑草もなくグランドカバーの草がきれいに刈り整えられている。建物は箱形が多く、方形屋根にほぼ統一されているようだ。壁面は赤茶や黄土色、あるいは黄色の塗り壁のようで、窓も一つの壁面には同じ形の窓がいくつか並んでいる。地区ごとに必ず教会がある。通りに面した1階部分はお店になっていることが多く、窓にはカフェテントが着いていてしゃれている。町全体に統一感があってこれがイタリアなんだと実感する。日本の建物はバラバラで統一感がないように思っていたが、外人からみるとそれが日本らしくみえるのだろうか。

 

( つづく → )

記事の投稿日:2015年03月23日


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