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沢登り(2009.8.19)

column 沢登り(2009.8.19)

現在、整形外科仲間で山の会を結成して山行を行っている。当初彼らは夏山の夏道尾根登りが登山で、岩登り沢登り雪山は危険で絶対足を踏み入れてはならない領域だと考えていたようだ。

しかし一度沢登りに連れて行ってみると、今まで尾根歩きでは考えられないまったく未知の世界が待っていたのです。
ドライブで橋げたから他人事のように眺めていた渓流や滝の中をその水しぶきを感じながらひたひたと歩いているのですから。時には沢の水流の中を泳ぎ、シャワーを浴びながら滝をよじ登り上流を目指して行くのです。何と原始的な登り方なのでしょう。
この先にはどんな世界が広がっているのだろう。
次の滝は登れるだろうか。
地図とコンパス、高度計を頼りに現在位置を確認しながら、徐々に高度を上げていく。地図の読みが正しければ予定通りの地点に辿りつける。枝沢を1本間違えただけで夏道に出ることができず何時間も藪こぎを強いられることもある。学生時代に和賀岳の沢を登った時、枝沢を読み違えてしまったため夏道のない山に登ってしまったことがあった。幸い秋の落葉の時期だったので藪もそれほど濃くはなかったが、それでも2時間も道のない藪の中を泳がなくては(?)ならなかった。

つらいけれどもそれも楽しみの一つなのです。八幡平の沢登りをしたときのこと、源頭が近づいてきて沢は細くなり、両側が笹で覆われています。笹をかき分けて登りつめると突然池塘の散在する湿原に飛び出しました。湿原周囲は樹林に囲まれ、上空がぽっかりと空いていて隠れ家のような別天地だったのです。もちろん湿原には夏道がなく他には誰もいません。音もなく時間が止まってしまったような空間を一人占めしてしまっていることに興奮してしまいました。
沢登りはゲームであり冒険なのです。
それも自然に対峙し、自然に逆らわず、自然を享受しながら、自分の存在を確実に感じることのできる登山のひとつの方法なのです。
夏道登山を愛好していた仲間もいつしか沢登りや岩登り、雪山へのめり込んでいった。

記事の投稿日:2009年08月19日


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