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煌煌通信(2009.1~12月)

column 煌煌通信(2009.1~12月)

新年明けましておめでとうございます。(2009.1月)  

今年もどんと祭を無事終了することができ、連続7回行ったことになります。つまり開業7年目ということになります。光陰矢の如し。平成18年に現在のビルへ移転しましたが、診療は日増しに忙しい一方で運動もできず年はとり体力は衰えていくばかり。毎日の仕事疲れから、土曜は診療後やっとの思いで自宅にたどり着くとすぐ寝てしまい、日曜はその延長でぐうたらしているという何とも情けない日々でした。平成19年になりやっと佐藤医師が加わってくれ、わずかながら余裕が生まれました。心機一転、体力回復のため自転車通勤を再開し、登山も再開。昨年は体力も回復しメタボも脱却。時間があれば山へ入りました。山奥の深い木々に囲まれた時の安堵感は、失せていた野生の精神を蘇らせてくれました。山に入るだけで指の先まで生きる力がみなぎるようでした。登山をやっていて本当に良かったなと実感できるときでした。
さて今年はどんな年になるのでしょう。何をやるにしても体力がなければなりません。体力がつくとやる気が出てきます。継続は力なりです。今行っている運動を継続し、何か一つ新しいことに挑戦してみましょう。

 

◆ 楽しいと感じる音楽は血管機能を高める(2009年3月)  
楽しいと感じる音楽を聴くことによって沸き上がる感情が、血管の機能によい効果をもたらすことが、アメリカ・メリーランド大学予防心臓病学センター所長らの研究で、初めて明らかになりました。  研究には健康な非喫煙者10人(男性7人、平均36歳)が選ばれ、①楽しくなるような音楽(自分の好きな音楽)、②不安を感じるような音楽、③リラックスする音楽、④笑いを誘うビデオの4つの段階での実験が行われ、それぞれで血管依存性血管拡張反応(FMD)が測定されました。その結果FMDが①楽しい音楽を聴いた後には26%増加、②不安を感じる音楽では6%低下、③リラックスさせた場合は11%増加したものの有意差なし、④笑いを誘導させた場合は19%増加したとのことでした。 笑いやリラックスよりも、自分が楽しいと感じる音楽を聴くことで気分がよくなり、血流が増えて血管が拡張することがわかったのです。つまり楽しい音楽を聴く習慣を日常生活に取り入れることが、心臓や血管の健康増進にもなると考えられます。日頃の適度な運動に加え、楽しい音楽を聴いて更に健康生活を送りましょう。

◆ ブロッコリーは老化低下防止のほかに喘息などにも有効?(2009.6月)  
昨年のこの煌煌通信で、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜には老化により低下する身体の免疫力を回復させる可能性があるというお話しをしましたが、今回また同じUCLAからの発表で、ブロッコリーには喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患などの予防に役立つ可能性があることがわかりました。この研究によってブロッコリーに含まれる科学物質スルホラフェンがヒトの気道で抗酸化酵素を増加させて、汚染された大気、花粉、ディーゼル排気、たばこの煙などに含まれて毎日吸い込まれるフリーラジカルの攻撃を防ぐことが示されました。 このフリーラジカルは酸化による組織損傷を引き起こし、喘息などの炎症と呼吸器疾患につながっています。ブロッコリー・スプラウト(新芽)の摂取した群では、摂取しなかった群に比較して鼻腔内の抗酸化酵素が2~3倍増加していたとのことです。この抗酸化酵素によって炎症のプロセスを予防し、さまざまな呼吸器疾患の治療法につながる可能性がでてきました。 ブロッコリー・スプラウト摂取群には深刻な副作用も見られず、簡単に入手できる野菜によって、フリーラジカルの炎症力を弱める効果的かつ安全な抗酸化戦略であるといえます。今後は皆さんも健康食としてブロッコリーなどのアブラナ科の野菜を摂取することをお奨めします。

男性にとってグラス半分のワインで平均余命5年延長、しかし女性にとっては?(2009.8.29)  
酒は百薬の長といわれます。このほどオランダ・ワーヘニンゲン大学栄養学のSteppel博士らは、1日にワインを最高でグラス半分まで飲む男性の場合、平均寿命が5年間延長する可能性があると発表しました。  研究によると、男性1,373例の心血管系の状態と50歳時の平均余命を継続調査したとのことです。アルコール摂取量、その種類、摂取期間の他、体重、食事、喫煙歴と期間を追跡調査し、重度の疾患の有無を調べました。40年の調査期間中に1,130人の男性が死亡し、その半数超は心血管疾患が原因でした。 お酒のいずれの種類であっても毎日少量(最大20g)かつ長期のアルコール飲酒者は、非飲酒者と比べて平均余命が2年延長していました。20g以上の飲酒者は、平均余命の増加の程度はわずかでした。 ワインだけを1日にワイングラス半分ほど飲む男性は、ビールと蒸留酒を飲む男性と比べて約2.5年長生きし、非飲酒者と比べて約5年長生きしました。ワインの摂取は、冠動脈疾患、脳血管疾患、すべての原因による死亡リスクの低下と強く関連していました。 一方女性の場合は別のようです。アメリカ・オックスフォード大学のAllen博士らは、女性ではたとえ1日1杯のアルコール摂取でも、がんリスクを増大させるとの研究結果を発表しました。 研究によると、英国の乳がんスクリーニング・クリニックで検査を受けた女性128万296人(45~75歳)の記録を調査しました。この数字は、この年齢群の英国女性の約4人に1人が対象になっていることを意味しています。 検討の結果、1日1杯(アルコール10g相当)の飲酒は1,000人当たり年間11例の乳がん増加と関連することが認められました。口腔がんと咽頭がん、直腸がんは1例、食道がん、肝がん、喉頭がんは0.7例の増加だった。また、飲酒が1杯以上の場合は、さらに多くのがんが発症することも明らかになりました。飲酒量が1杯増えるごとに発症するがんの数は1,000人当たり15例増加しました。このリスクの上昇は、摂取するアルコールの種類とは無関係だったそうです。 米国立心肺血液研究所のLauer博士とSorlie博士は、「飲酒は量に関係なく女性にとって安全ではない」と厳しい態度をとっています。現在更なる研究が実施されているようです。

◆ 緑茶とウーロン茶に脳梗塞予防効果(煌煌通信2009.12)  
緑茶とウーロン茶には脳梗塞予防効果があるとする研究結果が、オーストラリアと中国の共同研究グループにより発表されました。  実験的研究で、お茶の摂取が脳梗塞のリスク低下に有効な可能性が示唆されていますが、疫学研究では一致した結果は得られていませんでした。同グループは、中国南部の佛山地域で脳梗塞患者374例とコントロール464例を対象とした研究を実施(平均年齢69歳)しました。お茶の摂取頻度と期間、使用する乾燥茶葉の量、お茶の種類と脳梗塞のリスクとの関係を調べました。  解析の結果、お茶をほとんど飲まない群と比べ、少なくとも週に1杯飲む群では脳梗塞リスクの有意な低下が認められたようです。リスク低下が最も大きかったのは、緑茶またはウーロン茶を毎日1~2杯飲んでいる群でした。摂取期間が長いことと、使用する乾燥茶葉の量が多いほど脳梗塞のリスクが低下することがわかりました。  この症例数は少ないのですが、緑茶を飲む習慣のある日本人にとって非常によい研究結果です。でも最近ではわざわざ茶葉を急須ににいれて飲んでいる方はどれほどでしょうか。昔からの習慣というものは、何らかの意味があってこそ継続されているものであると思います。もう一度見直してみるいい機会となるのではないでしょうか。

記事の投稿日:2009年04月02日


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