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山スキー(刈田岳)(2009.2.22)

column 山スキー(刈田岳)(2009.2.22)

2月22日、昨日とはうって変わって朝から穏やかな日和だった。

いまこの瞬間に雪山の中にいる自分が信じられなかった。

雲ひとつない突き抜けるような青い空気の下、シールを付けたスキーが捕える雪の感触を楽しみながら、一歩一歩確実に山頂に向かっていった。刈田岳山頂は目前だった。稜線は強風にあおられて雪煙が上がっている。

眼下には雪が吹き付けられて凍てついた蔵王のお釜があった。

遠く泉が岳や船形山、仙台市内まで見渡せた。スキーのエッジをきかせて最後の急坂を越えると、山頂上には氷を吹き付けたような鳥居とやぐらがあり、冬の厳しさを物語っていた。

山形県側は前線が近づいているようで、朝日連峰の稜線には灰色の雲がかかってその勢力をこちらに向かって伸ばしている。午後には天気が悪化するだろう。休む間もなく、スキーのシールを剥がして下山にかかった。気温もだいぶあがったせいか、雪質はあまり良くない。雪原に強引なシュプールを描いて、樹林帯に入っていった。

東北大の清溪小屋、仙台一高小屋を過ぎると、他には人影もなく風もない閑かな自分たちだけの世界になった。雪をかぶった針葉樹のむこうに後烏帽子岳と屏風岳がこんもりとしているのが見えた。白い樹林の中の散策を満喫し、コンパスで方向を確認しながらスキー場へと急いだ。

記事の投稿日:2009年02月25日


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