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南白沢遡行敗退(2010.6.20)

column 南白沢遡行敗退(2010.6.20)

 ワールドカップ日本オランダ戦で盛り上がった翌日、岩手県滝ノ上温泉近くの南白沢へ行った。梅雨のまっただ中、天気予報では午前曇り午後から雨だった。午前中に遡行が終われば何とかなりそうだった。 この沢の源頭は湿原になっている。雨上がりの湿原に浮かぶ池塘とお花畑の幻想的な風景を想像しながら遡行を開始した。沢の色は透き通ったエメラルドグリーン。しかし沢の始まりから堰堤が飽きるほど出現し幻滅させられる。何故ゆえに沢の奥深くまで堰堤が作られなければならなかったのか不思議でならない。昭和40年ころのものが多いようだった。これも自民党時代の公共事業か。国民の大切な税金が、誰も知らないうちにこのような誰も知らない所で無駄に使われてしまっていた事実に、憤りを通り越して呆れ返ってしまった。人間は何と愚かなのだろう。 遡行開始から約2時間で最初の滝に出た。水量が多くとても直登出来はしない。右岸のルンゼ状になった所を高卷きする事にした。地盤はドロドロで滑りやすい。補助ザイルを出して騙し騙し登っていく。ブッシュも乏しく微妙なバランスが必要だった。とその時、上にいたK隊員が足を滑らせ、四つんばいになったまま滑って落ちてきた。自分の脇をそのまま15mほど落ちた所で止まった。声をかけると足を軽く捻っただけとのこと。しかし戦意喪失したようだった。残念だがここから引き返す事とした。ほかのメンバーは懸垂下降で降りてきた。その後雨が強くなり、雷も鳴りだした。徐々に沢の水量が増加してきた。左岸のスラブ状の岩肌には、登りだしにはなかった滝が新たに出来て流れている。瞬く間に沢は濁流となっていた。徒渉も難しくなってきたので、沢から離れて台地状になったブッシュ帯をトラバースしていった。そのまま何とか堰堤作業のために作られた道路に飛び出た。結果的には敗退でよかったのかもしれなかった。 滝ノ上温泉で汗を流し、盛岡へ向かうと雨は上がって時折陽が差した。いつも天気のいい日にしか登山していなかった我が城整山の会にとって、いろいろな意味で今回の山行はいい勉強になったのではないかと思われる。

記事の投稿日:2010年06月30日


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