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原発これでいいの?(2011.4.13)

column 原発これでいいの?(2011.4.13)

 地震のあとの福島第一原発事故。不安な思いをしているのは自分だけだろうか。1986年4月26日に起きたレベル7のチェルノブイリ事故は、ずっと遠く地球の反対側の出来事で、当時水戸で外科研修していた自分にとってはあまり関係のない事だった。しかし広島原爆の被曝調査をNHKで特集した時、チェルノブイリの惨状を初めて認識した。さらに昨年のやはりNHK特集で、日本の原発推進の目的は、原子爆弾を作る技術を得るためだったと結論していた。今の原発推進には行政と電力会社との癒着の構造があり、官僚天下りで国民の多くの税金がつぎ込まれている。年間の原発予算は5,800億円だという。それも毎年のことだ。東電などから東京大学へ研究費として5億円が拠出されている。まさしく産官学でまるごと原発を推進してきたということだ。原発でエネルギーは得られても、人間には全く処理処分のできない使用済み核燃料が残る。プルトニウムは半減期が2万4000年だという。放射線はほとんど未来永劫といっていいほどずっと放出し続けるのだ。 福島原発からは4月7日深夜の地震によって更に多量の放射線が出ているとのことだ。レベル7相当だということをすでに3月下旬には政府枝野官房長官は把握していた。しかし国民には全く公表しなかった。さらに放射線の飛散分布図も、政府や東電では把握していながら国民には知らされていない。何の情報もなく、爆心地の真ん中で弱い立場の国民だけが犠牲になっている。安全だ、クリーンだとCMを流し続け、国民を騙してきた結果がこれだ。斉藤和義も“ずっとウソだった”で歌っている(http://www.youtube.com/watch?v=kExWZhelZ0s、)。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は原子核が専門でありながら、その危険性を唱え続けている本当の研究者だ(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001827.php、http://www.youtube.com/watch?v=4gFxKiOGSDk)。通常の精神の持ち主なら、今の状況になったら全国の全ての原発をストップするだろう。それなのに経済でしかものを考えられない愚かな連中が日本を席巻している。かような巨大な利権団体の言葉には惑わされてはならない。即刻原発は廃炉とし未来の子孫に(放射能汚染でもう消滅しまうかもしれないが)負の遺産をこれ以上残すのはもうやめよう。 テレビでは全く報道されなかったが、3月末東京の学生達が原発反対デモを起こした(you tube)。4月10日の高円寺でのデモは1万人を越えていたとの事だ。同じ日には芝公園から浜岡原発反対デモも行われた。どこのテレビ局でもこのデモを放送していない。不安をあおる報道は政府から強い規制がかかっているらしい。ここ日本は中国や北朝鮮ではなく、民主主義の国ではなかったのか。しかしそれで本当に良いの?国民の本当の考えを反映しなくていいの?福島浜通りはこれから10年以上人が入り込めない地帯となるだろう。これは天災ではなく、政府(長期政権の中で原発を推進した自民党の罪は大きい)と東電と周囲の無能な官僚達が引き起こした人災なのだ。今福島原発で頑張っている職員の皆さん、死をも恐れず職務を全うしようとする皆さんの働きぶりには本当に感謝します。とにかく今やるべきはこの原発をなんとかして鎮静化することしかない。しかし収束まで何年かかるのだろう。非常に心配だ。 人ごとのように、蚊帳の外から訳の分からない事をやっている菅内閣は即刻退陣すべきだ。こともあろうに、3.11の津波の際、津波発生後すぐアメリカや国境なき医師団から救命の申し出があったにもかかわらず菅首相は断っている。もし受け入れていればこれほどまで膨大な死者はでなかったかもしれない。震災後食料不足やガソリン不足で被災地住民は全く動けない状態であったにもかかわらず、十分過ぎるくらいある備蓄ガソリンを流通させなかったのも菅首相の指示だ。アメリカからの再三の忠告でガソリンがやっと出回ったのは、4月に入ってからだった。この1ヶ月間被災地ではどんな思いをしていたか、菅内閣は知ろうとも思わなかったのだろう。東京の学生デモで訴えている原発廃止と菅内閣の退陣は当然といえる。しかしこの異常事態を坂本龍馬のように国のために陣頭きって指揮できる大物人物はいないのだろうか。

記事の投稿日:2011年04月13日


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