鳥海山(2011.5.8)
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震災2ヶ月。9800人以上が行方不明のままで、福島第一原発も収束にはまだほど遠い。仕事上は普通に振る舞っていても気分が晴れ渡る事はなく、それまで行ってきたトレーニングもまだ再開できていなかった。この悶々たる日常を払拭すべく、我ら城整山の会は5.8(日)に鳥海山へ挑んだ。天気図上からあまり好天は望めなかったが、天気予報では午前中なら何とか持ちそうだった。前回のように寝坊せず午前3時起床。仙台市内のメンバーTu隊員、K隊員と合流し、古川でS隊員をピックアップして108号線を北上した。
鳥海山山頂付近は強い風で雲が流されていた。それでもまだ山頂はまだ望める。心は急かされた。7時40分矢島の祓川から登山開始。2名はスキー使用し、2名は登山靴での登山。2年前はど快晴で100名以上の登山者がいたが、この日はさすがに20名もいなかった。先行パーティを追い越し先頭に出た。徐々に傾斜はきつくなり、スキー班はジグザグに、つぼ足班はキックステップで登って行った。時折青空が垣間見えたが、1900m付近に達すると雲に覆われ風も強くなって雨が降り出した。2200m地点でスキーをデポし、アイゼンとピッケルで登り始めた。視界はないので最後の100mをGPS頼りに進んだ。11時半七高山登頂。外輪山周囲をすごい風がゴーゴーと吹き荒れている。記念撮影もそこそこに、急な雪面を下山開始した。この強風に皆不安がっていたが、安全に下山させなければならない。ガスっていたため下が見えず高度感がないのが幸いした。クラストした雪面でキックステップを確実にきり、ピッケルを打ち込むことをやってみせた。皆四つん這いになりながらも必死で下った。ほんの100mの距離だが、皆にとっては本当に長い100mだっただろう。そこからはそれぞれのスタイルで下山したが、祓川の駐車場までガスがかかっていた。ウェアは雨でびしょぬれになってしまった。冷えた体を鳥海山荘の温泉で癒し、強風の中での健闘を讃え合った。
記事の投稿日:2011年05月11日