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全原発停止を迎えて(2012.5.6)

column 全原発停止を迎えて(2012.5.6)

 広島長崎に原爆が投下されてから67年が経過した。昨年の3.1 1以来、福島第一原子力発電所は放射能をまき散らし、いまだに周辺の土壌や海や空気を汚染し続けている。即ち我々日本人自身が平和利用と称して、原子力発電所を作り続けた結果、自らが自らの生活を破壊してしまったのだ。
 何故そんなことになってしまったのか?世界で唯一の被爆国である日本人が、戦後長いあいだ抱き続けてきた核に対する嫌悪感や拒否感は、いったいどこの藻くずと消えてしまったのか?我々が求めていたのは、核のない平和で豊かな社会ではなかったのか。それが何によって損なわれ、歪められてしまったのだろう?
 リスクベネフィット論という理論がある。『社会の物事は全て、危険と利益のバランスの上に成り立っている。社会に於ける決定は、その原則に基づいて行われ、人々は、その原則に従うことが求められている。危険というマイナス面よりも利益というプラス面の方が大きいからこそ、決定が下され、製品が作られ、使用され続けているのであり、プラス面を享受する以上は、マイナス面を人々は引き受けなければならない。』
 利益>危険 
そして、そのリスクによって犠牲者が現れると、彼らの主張は『多くの人達が利益を受けており、危険は少数の人が被るに過ぎない。』『リスク評価をしたのですが、リスクを充分把握することは不可能でした。だから私達は完全無罪です。』
 イタイイタイ病、水俣病、アスベスト、排気ガス
 原子炉は効率が良く自然に優しい発電システムであると、電力会社は主張してきた。石油のない日本にとって、いったん発電を始めれば永久に電力を作り続ける原子力は、非常に効率の良いエネルギーだったわけだ。しかもCO2排出しない夢のような発電システムと謳っていた。そして気がついたときには、日本国内に54基もの原発が作られ、全発電量の約30パーセントがまかなわれるようになってしまっていた。本当のリスクをひた隠し、利益を追求したが結果だった。
 こうなるともうあと戻りはできない。既成事実がつくられてしまったわけだ。原子力発電に危惧を抱く人に対し『じゃああなたは電気が足りなくてもいいんですね』という脅しのような質問が向けられる。実際昨年夏には計画停電が実施された。原発がないとこうゆうことになりますよという見せしめだ。今年の夏にも同じ手口を使おうとしている。
 原発に反対する人々には、『非現実的な夢想家』というレッテルが貼られてしまう。
原子力発電を推進する人々の主張した『現実を見なさい』という現実とは、実は現実でもなんでもなく、ただの表面的な『便宜』に過ぎなかったのだ。国や電力会社の『現実』とは、1基3000億円で作った原発の廃炉費が、1基あたり600億円で、その後の処理費用まで含めると5320億円もかかってしまうということだ。『高速増殖炉もんじゅ』に至っては、運転停止中であるにもかかわらず1日5900万円もの莫大な維持費に税金をつぎ込んでいるのだ。官僚はこれを止める訳には行かないと考えているのだろう。
 我々は被害者であると同時に、加害者でもあるのだ。そのことを厳しく見つめなおさなければならない。夜遅くまでネオンが眩しいスーパーやコンビニ。近くまでの買い物にも車を利用。こうした社会を作り出したのは我々自身だ。二度と同じ失敗を繰り返さないためには、経済や効率優先の尺度で物事を考えないことだ。そして勇気をもって脱原発の社会を作って行かなければならない。 

記事の投稿日:2012年05月06日


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